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24/08/14

国交省、荷主・物流企業の要望受け鉄道・港の基盤整備など推進強化

 国土交通省は、鉄道・船舶モーダルシフトについて、秋ごろ追加の取り組みを検討し取りまとめる。荷主・物流企業向けの調査で、貨物駅や港の整備、悪天候による輸送障害時の鉄道運行情報提供などを要望する声が聞かれたことに対応する。
 政府は、トラックドライバーの労働規制強化に伴う輸送力不足の対策として、今後10年程度で鉄道・船舶の輸送量・分担率を倍増させることを目指している。実現へ、国交省は貨物駅整備、鉄道の災害時対応、港の車両待機場整備などを展開してきたが、いずれも「もっと推進してほしい」との声が調査で聞かれた。

鉄道では貨物駅や輸送障害に対応

 鉄道は、荷待ち・荷役時間削減につながる貨物駅の整備を求める声、悪天候で輸送障害が発生した際にJR貨物から運行情報を迅速に提供してほしいとの声が聞かれた。強風や大雪、豪雨が発生した際も鉄道が安全に走行できるような国の支援を求める声もあった。
 船は、港内の車両待機場拡大の要望があった。他に、既にモーダルシフトを手掛けている荷主・物流企業への支援強化につながるよう、国の補助事業を見直してほしいという回答も見られた。国交省は「ドライバーの労働規制強化を踏まえ、モーダルシフトを増やすため、重点的に取り組まなければいけないものばかり」としている。

 調査は国交省が三菱UFJリサーチ&コンサルティングに委託して昨年度に実施。メーカー、卸、小売り、各都道府県の農協や漁連、通運企業、船社、港の管理者など計1020社・団体が回答した。国交省は有識者会合で今後、物流業界団体などからモーダルシフトの要望を聞き取る。9~10月ごろに、調査結果も踏まえ追加で行う必要がある取り組みをまとめる。