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24/08/09
デジタコ義務化、27年度末から検討開始 中小への集中的補助も
国土交通省は2027年度末から、デジタルタコグラフの装着義務化の検討を開始する。現在、タコグラフの装着が義務付けられている車両を対象とする。同省の調査によると、保有台数10台未満の小規模運送企業の装着率が低いことから、来年度以降、集中的な補助事業を展開した上で、義務化できるか否かの議論を行っていく。
デジタコの装着義務付けの検討は、政府が昨年まとめた物流政策パッケージを受けたもの。現在は総重量7トン以上、または積載量4トン以上の車両にタコグラフの装着を義務付ける半面、車載器はデジタコ以外にアナログ式も認められている。
政策パッケージでは、ドライバーの残業上限規制に伴う24年問題による物流停滞を回避するためには、効率化・生産性向上を図る観点からデジタコの活用が重要と位置付けており、将来的な義務化を視野に入れることを明記していた。国交省はまず、タコグラフの装着を義務化している車両から検討を開始する。
国交省が5~6月にかけて、トラック運送企業に行った調査によると、積載量4トン以上の車両のデジタコ装着率は79・8%。規模別では、保有台数30台以上の企業の装着率は86・2%なのに対し、9台以下の小規模企業は43・8%と開きがあった。国交省は規模が小さいほど、装着率が低い傾向に着目しており、義務化検討の前に対策を講じていく。
3年間で85%の目標を計画
具体的には来年度から、これまでの補助事業の内容を見直す。デジタコ未装着の中小を優先する仕組みに変える方針で、特に保有台数10台未満の企業や、動態管理機能を持つ車載器の補助率、補助上限額を引き上げる。「来年度予算概算要求で補助事業の予算増額を求めるとともに、今後は(大手・中堅より)中小の普及をメインとする形になる」(国交省)。
来年度から3年間対策を進め、27年度に3万台以上のデジタコを普及させ、装着率を85%まで引き上げる考え。この間、全国でデジタコの理解を深めるためのセミナーや、動画投稿サイト「ユーチューブ」にデジタコ活用事例の動画を投稿し、啓発活動も行う。毎年度、積載量別や企業規模別の普及率や、メーカーのデジタコ機能・価格調査なども実施する。
その上で、27年度末から、有識者検討会で装着義務化ができるか否かの検討を開始する。「検討後、すぐに義務化するのは難しく、一定の期間がかかると予測している」と国交省。軽貨物をはじめ、総重量7トン未満、積載量4トン未満の他の車両についても、同様の対策を進めながら、将来的な義務化ができるかを慎重に検討していく。