- 行政・業界団体
24/08/08
24年問題による物流コスト増、荷主の価格転嫁まだ3割
ドライバーの残業上限規制に伴う物流2024年問題の影響で企業の物流コストが増加する中、増加分の価格転嫁の実施率は3割にとどまっている。日本商工会議所の「早期景気観測」7月調査で、主に荷主の対応の動向として分析した。
「24年問題によるマイナスの影響がある」と回答した企業は84・1%。このうち90・5%が、具体的な内容として運賃・料金や倉庫保管料などの「物流コストの増加」を挙げた。一方、物流コスト増加分を価格転換できている企業は32・3%にとどまり、原材料価格などの増加分の価格転嫁に比べて低い水準となっている。
また、24年問題を背景に物流効率化への取り組みを開始(予定を含む)している企業は前年同期比9・3ポイント増の34・8%。具体的には「物流コストの適切な価格転嫁の実施」が33・1%で最多。次いで「発注頻度の見直しなどによる配送回数の削減」(21・3%)、「物流を考慮した商品企画・製造工程などの見直し」(12・4%)だった。
早期景気観測は、地域や中小企業が肌で感じる足元の景気感を日商が毎月調査するもの。7月調査は16~22日、全国325商工会議所の会員企業を対象に実施し、1994企業の回答をまとめた。