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24/07/29

23年度の物流市場、前年度比4%減の23兆4015億円

 矢野経済研究所は、2023年度の物流15業種の市場規模を前年度比4・0%減の23兆4015億円とみる=グラフ。国内外の消費低迷などで、貨物輸送量が低調に推移した。
 22年度は同6・2%増の24兆3665億円と推計した。海運事業や3PL事業の規模拡大が全体を押し上げた。ただし、矢野経済は「伸長の要因は物量ではなく価格の上昇」とした。
 23年5月の新型コロナウイルス5類移行で、23年度は貨物輸送量や倉庫の入出庫量、3PL事業のロジ作業などが徐々に回復傾向となったが、貨物輸送量はコロナ禍以前の19年度水準には戻っていない。また、人口減少、少子高齢化、産業の空洞化が進む中、物価上昇で消費が低迷し、貨物輸送量は伸び悩んだ。
 この他、欧州のインフレや中国の景気低迷による世界的な物流需要の減少もあり、矢野経済は「今後も、貨物輸送量は低調に推移する」とみる。業種別では、海運やフォワーディング、一般港湾運送などが減少傾向で、23年度の物流15業種の総市場規模は縮小すると分析する。
 物流15業種は、特別積み合わせ貨物運送、宅配便(国内)、国際宅配便、3PL、海運(外航・内航)、一般港湾運送、航空貨物輸送、フォワーディング、鉄道貨物輸送、鉄道利用貨物運送、軽貨物輸送(バイク便含む)、普通倉庫、冷蔵倉庫(冷凍倉庫含む)、引っ越し、その他の各事業。
 調査は24年4~6月、国内の有力物流事業者などを対象に矢野経済の専門研究員による面談、電話アンケート調査、文献調査をまとめた。