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24/07/16

国交省、飲酒運転の処分厳格に 来年1月新基準適用

 法令順守意識の低い悪質運送企業の対策を進めるため、国土交通省は2025年1月にも、行政処分の基準を強化する。飲酒運転・酒気帯び運転に対する「指導監督義務違反」を新設し、初違反で100日車両の使用停止処分を科す。点呼の実施違反にも新たな処分を設け、飲酒運転の対策を徹底する。
 酒酔い・酒気帯び運行があった場合、飲酒が体に与える影響や、飲酒運転・酒気帯び運転の禁止に関する指導を行っていなかった企業に対し、初違反で100日車、再違反で200日車の処分を科す。点呼を実施していなかった場合も同様の行政処分を講じる。トラック、バス、タクシーの全モードを対象とする。
 ドライバーが飲酒運転を起こした場合、国交省はこれまでも運送企業に初違反で100日車、再違反で200日車の行政処分を科す対策を展開。企業による飲酒運転の指導監督義務違反があった場合は違反営業所に3日間の事業停止処分を、飲酒運転を下命・容認した場合は14日間の事業停止処分を講じてきた。
 一方、運送業界の飲酒運転は後を絶たず、22年には計37件の事故が発生。国交省は監査を強化しているが、実施後に廃業届けを出して処分を逃れる企業もあるという。行政処分の基準を強化することで、さらなる対策につなげる。

勤務時間など違反も細かく

 またトラックについては、24年4月に改正改善基準告示が適用されたことを受け、「勤務時間等告示」の違反件数に合わせ、より細かな処分量定を設定する。現在、未順守が計6件以上15件以下の場合は初違反で10日車、計16件以上の場合は同20日車としている。来年1月以降は未順守計6件以上の企業に対し、初違反で1件当たり2日車、再違反で同4日車とする。未順守計5件以下の場合は現在と変わらず、初違反で警告、再違反で10日車のままとする。
 点呼の未実施にも処分量定を引き上げ、未実施が20件以上あった場合、1件当たり1日車、再違反で同2日車に見直す。現在は20件以上49件以下の場合、初違反で10日車、再違反で20日車、50件以上の場合は初違反で20日車、再違反で40日車となっている。