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24/07/09

国交省、退職自衛官を運送業に 防衛省などと連携進め

 自動車運送業の担い手確保に向け、国土交通省は新たな対策を講じる。6月28日、防衛省や各業界団体と申し合わせを締結し、退職自衛官がトラック業界などで活躍できるように環境を整備する。自衛官の多くはさまざまな資格を取得しており、即戦力として迎え入れることで人材不足対策につなげたい考えだ。
 国交省、防衛省、トラック・バス・タクシー・自動車整備の各業界団体が連携し、退職予定自衛官向けの採用広報や、業種説明会、運転体験会、インターンシップ(職場体験)などを実施する。自衛隊の人材を確保するため、各業界は自衛官募集情報の掲示に協力したり、有事や災害時に召集される予備自衛官が訓練に出頭しやすい環境を整備したりする。
 防衛省によると、自衛隊では50代半ばに定年を迎える若年定年制自衛官と、20~30代半ばに退職する任期制自衛官がおり、2022年度は約8800人が退職した。退職時、雇用主の国が再就職に必要なさまざまな職業訓練を実施し、手厚い支援を行っている。
 職業訓練では、大型自動車や大型特殊自動車、フォークリフト、自動車整備などの資格取得も支援しており、国交省は運送業に不可欠な技術を持つ即戦力を迎え入れやすくすることで、深刻な担い手不足の解消につなげたい考え。
 現在、トラック業界の一部でも退職自衛官の採用や、訓練に出頭しやすい環境を整えながら、予備自衛官を雇用する企業がある。