- 統計・データ
24/07/08
24年上半期の人手不足倒産、物流業ほぼ倍増
人手不足による今年1~6月の物流業の倒産件数は、前年同期の約2倍に当たる27件だった。ドライバーの残業上限規制に伴う物流2024年問題が直撃し、過去最多となった。帝国データバンクが人手不足倒産の動向を分析した。
24年1~6月、人手不足倒産の全体発生件数は、前年同期比65%増の182件=グラフ1。このうち物流業は同80%増の27件だった。それぞれ年間として過去最多を上回るペースで推移している。
運転や建設業務での残業上限規制に伴う24年問題が本格化してから3カ月が経過し、物流業や建設業で人手不足による倒産の増加が目立つ。サプライチェーン全体への影響も懸念される中、実際に24年問題で物流面の対応を行う企業は62・7%=グラフ2。対応策は運送費の値上げ(受け入れ)やスケジュールの見直しなどが上位となっている。
また、人手不足倒産のうち、規模別では従業員10人未満の企業が全体の8割を占める。厚生労働省の労働力調査では就業者数の増加が続く一方、労働市場の流動化も加速している。1人の退職が大打撃となる小規模事業者では、今後も苦境が続く可能性が高い。
帝国データは「人手が増やせず業務効率化も難しい状況が長期化すれば業績への影響は避けられず、企業にとっては大きな痛手となり、生き残りは難しい局面を迎えることになる」と分析している。調査・分析は、法的整理(倒産)となった企業のうち、従業員の離職や採用難などで人手を確保できなかったことが要因の倒産についてまとめた。