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24/07/01

KDDIとJAL、操縦者1人でドローン3機を同時運航する実証に成功

 KDDI(本社・東京、髙橋誠社長兼CEO)と日本航空(=JAL、本社・東京、鳥取三津子社長兼グループCEO)は5月15日、埼玉県秩父市でのドローン配送の実証で、操縦者1人が東京都内から遠隔操縦によりドローン3機を同時運航することに成功した。ドローンの1対多運航の事業化に向け、開発や実証を進め、ビジネスモデルの確立に取り組む。
 実証では、KDDIと子会社のKDDIスマートドローンが共同開発する運航管理システムに、JALの安全運航の知見・ノウハウに基づく機能の追加や運用手続きを組み合わせ、複数機を遠隔操縦できる体制を構築した上で、防災用品・食品を配送した。
 秩父市吉田地区の吉田総合支所から阿熊地区までと、道の駅龍勢会館から阿熊地区の2つのルートで実施。飛行距離は共に約2・5キロメール。ドローン搭載カメラにより歩行者などの有無を確認することで、地上の補助者や立ち入り管理措置が不要な「レベル3・5」飛行で実施された。

 KDDIとJALは2022年8月、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の推進する「次世代空モビリティの社会実装に向けた実現プロジェクト」の一つに採択され、運航管理システム開発や検証を進めてきた。トラックドライバーの労働規制強化に伴う2024年問題や生産年齢人口減少に伴う労働力不足など、国内の社会課題の解決に向け、ドローンの1対多運航が期待されている。2社は実証の知見を活用し、1対多運航に関するルールづくりを推進し、より安全・効率的なドローンの社会実装を目指す。

1人の操縦者によるドローンの3機体同時操縦の様子