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24/06/25

骨太の方針、施策組み合わせ賃上げ 下請法改正も記載

 政府の経済財政諮問会議は6月11日、経済財政運営の基本指針となる「骨太の方針」の原案をまとめた。賃上げの促進では、「来年以降に物価上昇を上回る賃上げを定着させる」と明記した。既存の施策と新たな対策を組み合わせ、賃上げ支援を強力に推進していく。
 トラック運送業の持続的・構造的賃上げに向けては、改正物流総合効率化法に基づくガイドライン(指針)などを早期に整備し、業界内外での周知徹底と円滑な価格転嫁を進める。民間だけでなく、国、地方自治体を含めた取引でも標準的な運賃の活用を徹底。トラックGメンの機能強化を通じ、ドライバーの処遇改善や取引適正化も図る。
 また、新たな商慣習として、サプライチェーン全体で適切な価格転嫁を定着させる「構造的な価格転嫁」の実現を記載。下請法の執行強化や下請法改正を検討する。価格転嫁の調査を実施した上で、転嫁率が低いなどの課題がある業界には、自主行動計画の策定や改定、改善策の検討を求める。
 一方、交通・物流のDXでは新たな対策を講じる。高速道路の渋滞緩和に向け、2025年度から、混雑に応じて柔軟な料金体系に段階的に転換する方針を示した。まずは現在の仕組みの下で最大半額となる料金体系の導入に向け、8月をめどに検討を開始する。
 物流の効率化に向けては、ダブル連結トラック対象路線の拡充や自動運転トラック、自動配送ロボット、自動倉庫などを推進。現在検討中の自動物流道路は夏ごろにも、東京―大阪間を念頭に想定ルートをまとめる。船舶についても、30年ごろまでに自動運航船を実現させることを盛り込んだ。