• 統計・データ

24/06/25

運輸業・熱中症死傷者、23年は3番目の多さ 倉庫内で男性1人死亡

 厚生労働省によると、2023年に運輸業で発生した職場での熱中症死傷者数は、前年比13・1%増の146件。死者数は前年と同数で1件だった。
 23年に発生した職場での熱中症死傷者数について、業種別で最も多かったのは製造業で同59・3%増の231件、建設業は同16・7%増の209件、運輸業と続いた。死者数は、建設業の12件(前年比14・2%減)が最多。警備業は前年と同じ6件、製造業と農業は同2倍の4件だった。
 運送業では、ピッキング作業中の40代男性が死亡した。当時の気温は31・5度、湿気なども加味した暑さ指数は29・3度だった。午前8時から休憩を取りつつ、倉庫で作業を行っていたが、午前11時50分、倉庫内で倒れているところを発見された。冷却措置などを行った上で緊急搬送されたが、その後病院で死亡した。
 厚労省の分析によると、熱中症の発生は午後3時台が最も多く、次いで午前11時台が危険という。50歳以上の発生率が高いが、どの年齢層でも発生の可能性がある。
 厚労省は5月1日~9月30日に「熱中症の防止キャンペーン」を展開。暑さ指数の把握や、予防のため、労働安全衛生教育の実施などを徹底するように呼び掛けている。