• 行政・業界団体

24/06/18

公取委、700件弱に注意喚起文書 23年度の物流調査受けて

 公正取引委員会が物流の取引を調査した結果、買いたたきや代金の据え置きなど、独占禁止法の違反につながる疑いがあるとして、2023年度に計687件の荷主に注意喚起したことが分かった。件数は22年度の917件より減少したが、公取委は荷主と物流企業の取引適正化に向けて是正を強化していく。
 調査は荷主3万社と物流企業4万社に実施。荷主は22年9月~23年8月、物流企業は23年1~12月を対象期間とし、調査票で独禁法違反につながる恐れのある取引がないかを調べた。
 注意喚起文書を送付した類型のうち、最多だったのは買いたたきの239件で、全体の34・8%を占めた。代金の減額は142件(20・7%)、代金の支払い遅延は117件(17・0%)。不当な給付内容の変更・やり直しも15・4%に当たる106件あった。
 独禁法違反につながる恐れのある事例のうち、買いたたきでは、金属製品製造業の荷主がコスト上昇分の運賃値上げを求められたにもかかわらず理由を回答することなく据え置いた。代金の減額では、物品賃貸業の荷主が運賃の支払いを手形から現金振り込みに変更した際に、運賃を一律5%差し引いていた。
 今回の結果について、公取委は関係省庁、関係業界団体に周知徹底し、違反行為の防止に向けて取り組む方針。状況を把握するため、今後も荷主と物流企業の取引に関する調査を実施していく。