- 行政・業界団体
24/06/04
北海道経産局など、物流課題の解決推進 企業間連携の手助けも
北海道経済産業局は北海道の物流課題解決に向けて活動を進めている。今年度は、異業種間の共同輸配送を中心に物流効率化を推進。北海道運輸局や自治体など関係機関や、物流企業・荷主と連携を強化するとともに、物流の効率化・経営改善を支援し、道内経済の持続的発展につなげる。
5月28日、取り組みの成果として共同輸送の好事例集を発刊した。幸楽輸送の混載輸送、マルコシ・シーガルと花咲運輸の食品・日用品と地場水産品輸送を組み合わせた往復輸送などを紹介。道内の物流状況を伝える参考情報も掲載した。
北海道は、人手不足に加え、長距離輸送が多く物流の維持に課題を抱える。ただ「異業種間の共同輸送で積載率向上を図れば、ドライバー不足解消につながる」(道経産局)として今年度、マッチング事業を行う考え。具体的には、普段接する機会のない荷主同士や、物流企業などを一堂に集め、ワークショップ形式で、交流を深めながら互いの物流課題を共有し合う形を想定している。
荷主には所管官庁の道経産局が声を掛け、物流企業には運輸局が呼び掛ける。普段異業種と接する機会もなく互いの物流課題の共有すら難しい。課題を抱えた企業同士が交流の機会を設け、共同輸送の実現につなげる。
問題把握で荷主に聞き取り
また道内各地の荷主に対し、物流課題のヒアリングも行う。「把握が難しかった、地方の荷主の声をくみ取り、共同輸送できないかの情報提供などをしていきたい」(同)。共同輸送に向けた課題を把握し、実現に向けた解決策を模索する。
2年後に控えた一定規模の荷主に荷待ち削減など物効率化策の提出を義務付ける「規制的措置」の実効性を高めるため、法施行に向けた普及・啓発も行う。道内は輸送力不足が既に顕著で「物流を経営課題と捉えている企業も多い。普及・啓発を通じて、全国に好事例を発信したい」(同)。
経産局は「北海道は魅力ある産品が多くある上、ラピダスの半導体工場建設など経済的な魅力を多い。一方で、物流が弱まり届けることができなくなれば、魅力も弱まる」として、持続可能な物流の構築に本腰を入れる考えだ。