- 物流企業
24/05/16
エスラインG本社、山口社長の個人会社によるMBOで上場廃止へ
エスライングループ本社(本社・岐阜県岐南町、山口嘉彦社長)は5月16日、山口社長が設立した特定目的会社による株式公開買い付け(MBO)が開始した。期限は6月26日まで。買い付け価格は1株当たり1460円。成立後上場を廃止し、長期的な視点に基づく経営を推進する。
山口社長はMBO成立後もエスライングループ本社の社長職を継続し、長期的な成長に資する経営を進める。特積みでは、輸送の自社比率を進めると共に、中継輸送を推進。またコスト上昇を考慮に入れて、自社配送可能な地域の絞り込みも行う。同時に、中部・西日本エリアでの貸し切り事業や輸出入貨物の取り扱い拡大も図る。
ロジスティクス事業を行う物流サービス分野も強化する。関東では神奈川県海老名市の新センターを関東と主力拠点として、保管や流通加工まで一環で手掛ける物流サービス事業の強化を図る。また基盤の中部エリアでの倉庫稼働を向上し、収益力の強化を進めると共に、倉庫の省人化や効率化などへの投資も進める。
家電配送や引っ越しなどを行うホームサービス分野では、人材の確保・育成を進める。大型配送事業の拡大に向け、新拠点の開発や、協力会社との連携を強化し、配送キャパシティーを増やす。引っ越しでは、専任の営業担当者を配置し収益拡大に向けて営業開拓を行う。
またロジ拡大に向けたM&A(企業の合併・買収)の検討やEC物流の取り組み、企業内の認定こども園の拡大も行い、さらなる事業の発展につなげる。
なお、エスライングループ本社の主要株主である大垣共立銀行やみずほ信託銀行など29社と、主要な個人株主などはMBOに同意し、主要株式の43・75%は応募合意契約が結ばれている。残りの株式の内、エスライングループ本社の株式の12・06%を持つ筆頭株主で、山口社長と親族の資産管理会社である美美興産はそのまま株式を所有する。