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24/04/30

物効法・貨物自動車運送事業法改正案、与野党賛成多数で成立し来年以降、段階的に施行

 物流総合効率化法と貨物自動車運送事業法の改正案が、4月26日の参院本会議で与野党の賛成多数で可決・成立した。物流の効率化に向け、荷主、元請け、物流企業に規制をかけることなどが柱で、今後段階的に施行する。ドライバーの残業上限規制に伴う2024年問題を解消するため、労働条件改善や取引適正化を加速させる。
 参院本会議で自民、公明、立憲民主など与野党が賛成した。業界が早期の成立を求める中、国会質疑は行わず、大型連休前の成立を急いだ形だ。


 物効法と貨物自動車運送事業法の改正では、物流効率化や取引適正化を進めるため、業界関係者に「規制的措置」と呼ぶルールを課すことがポイント。このうち、荷主・物流企業には1年後をめどに、効率化のために取り組むべき措置で努力義務を設定する。各業界の所管大臣が判断基準を策定し、基準に照らしてそれぞれの取り組みを確認しながら、必要に応じて指導・助言などを行う。

参院国交委で付帯決議可決

 生産量や貨物量が多い一定規模の荷主、物流企業は「特定事業者」と位置付け、中長期計画の作成や定期報告などを義務化。大手などの荷主には「物流統括管理者」の選任も義務付け、役員級が物流業務全体を管理することを求める。どちらも2年後をめどに施行する見通しで、企業が違反した場合は是正勧告や罰金が科される。
 一方、元請けへの規制的措置は1年後をめどに施行し、実運送会社名などを記載した実運送体制管理簿の作成を義務化。契約時は書面交付を義務付けるとともに、一定規模以上の企業に管理規程の作成、責任者の選任を求める。
 他にも、個人事業主を含む軽貨物運送企業の法令知識を担保するため、管理者選任と講習受講を義務付ける措置も講じる。
 また、25日の参院国土交通委員会では、物効法と貨物自動車運送事業法の改正案可決に合わせ、与野党が共同で付帯決議を提出。毎年の標準的な運賃の見直し、適正化事業実施機関の体制強化など計17項目を盛り込み、全会一致で可決した。