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24/03/26
公取委、物流など10社社名公表 協議せず価格据え置き
公正取引委員会は3月15日、下請け企業が労務費、エネルギーコストなどの上昇分の価格転嫁を要請したにもかかわらず、協議をせずに取引価格を据え置いたとして、10社を社名公表した。いずれも独占禁止法や下請け法違反には該当しないが、公取委は下請けとの適正取引を促していく。
社名公表されたのはイオンディライト、京セラ、ソーシン、ダイハツ工業、東邦薬品、PALTAC、三菱ふそうトラック・バスなど10社。物流ではSBSフレック、西濃運輸、日本梱包運輸倉庫の3社が挙がった。
公取委は昨年5月から、業務発注者と受注者の約11万社に対し、コスト上昇分の適切な転嫁が行われているかを確認する特別調査を実施。多くの受注者から、取引価格が据え置かれていると名指しされた発注者には、立ち入り調査や個別調査を行ってきた。
調査期間中に対応の企業も
その結果、10社のいずれも、協議を経ずに取引価格の据え置きがあったことが確認され、独禁法で定める優越的地位の乱用に該当する恐れがあると判断された。中には、社内全体で価格転嫁を進める方針を示していたが、窓口の各担当者への浸透が不十分なケースがあった。調査期間中、受注者の一部と価格転嫁を進めていた事例や、協議の場を設けていた事例も確認された。
下請けの適正コスト収受を目的に社名公表が行われるのは、おととし12月以来2回目。円滑な価格転嫁のため、公取委は受注者からの要請の有無にかかわらず、発注者が積極的に価格転嫁の場を設けることが重要と呼び掛けている。