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24/03/22

ヤマト運輸×青森県、農水産品の一括保冷輸送で小型航空機活用へ

 ヤマト運輸(本社・東京、長尾裕社長)は3月21日、青森県農水産品の販売拡大サービスで、小型航空機活用の枠組み構築や国際輸送体制の拡充を進める。4月からトラックドライバーの労働時間上限規制がスタートすることや、航空機の貨物スペース縮小の流れを受けて、新たな輸送手段を確保し、青森県産品の販路拡大を支援する。

 

青森―伊丹便を利用した航空輸送スキーム

 

 まず小型航空機への搭載に適した専用保冷資材を開発し、青森空港―伊丹空港便を活用した航空輸送スキームの構築を図る。小型航空機のスペースを有効活用し、輸送力の拡大につなげる。今後トライアル輸送を実施し、2025年4月の実用化を目指す。
 各営業所へ持ち込まれた荷物を、午後12時に青森ベースに集約。青森ベースで航空機搭載専用保冷資材に積み替えて青森空港に輸送。午後3時55分青森発・午後5時40分伊丹空港着の日本航空2156便を利用し航空輸送を実施。

小型航空機への搭載に適した専用保冷資材を開発した

 到着後は、クールボックスに積み替え、ヤマト運輸伊丹空港支店を経由し、午後8時に伊丹空港支店を出発し関西ゲートウェイに午後8時30分に到着し関東から九州に配送する。配送日は翌日午前中で、福岡県以外の九州は翌日午後2時以降となる。
 海外への輸送拡大も図る。青森空港での通関体制確立や、羽田・成田の両空港を利用した高速輸送など、安定的な輸送手段を構築。海外での販路や商流拡大に貢献していく。

 ヤマト運輸と青森県は15年4月、県産品の販路拡大に向けて総合流通プラットフォーム(基盤)「A!Premium(エープレミアム)」を開始。航空機を活用し、高品質な青森県産農水産品などをスピード輸送・保冷一貫輸送を行ってきた。エープレミアムは、20年度から3年連続で利用実績過去最多を更新していて、23年度もさらなる拡大を見込んでいる。