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24/03/19

運行管理の一元化、他営業所の運転手も可能 条件満たすこと前提

 国土交通省は4月1日から、新たな運行管理制度を開始する。国が定める機器・システムを使用し、順守事項を守れば、運行管理者が他の営業所に所属するドライバーの点呼、運行指示といった業務を行えるようになる。
 新たな制度は「運行管理業務の一元化」と呼ばれ、国交省の有識者検討会が実証実験を行いながら、検討してきた施策。営業所とドライバー、営業所間を結ぶICT(情報通信技術)が普及する中、デジタル技術を活用することで運行管理業務を効率化し、運行管理者とドライバーの負担軽減を図る狙いがある。
 運行管理業務の一元化の対象は同一企業内で、実施には国の定める「機器・システム」と「運用上の順守事項」を全て満たす必要がある。
 例えば、機器・システムでは集約する運行管理業務ごとに必要な情報を電磁的な方法で保存し、運行管理を集約する営業所と、運行管理を任せる被集約営業所で、情報共有方法を明確にすることが条件。集約業務を行う全車両の位置情報を、常時把握できる装置を装着して営業所間で共有したり、運行中のドライバーと随時連絡が取れる機器を備えたりすることも必要になる。

予定日10日前までに報告書

 順守事項では、運行管理業務を一元化する企業は原則、実施予定日の10日前までに集約営業所・被集約営業所を管轄する運輸支局長に必要事項を記載した報告書を提出。その後も、報告内容と実態に差異がないかや、要件に適合しているかの定期確認が必要になる。
 運行管理業務を一元化する範囲は、被集約営業所が管轄する地域的特性の把握や、ドライバーとのコミュニケーションが十分に行えることを考慮して設定する。一元化する運行管理業務の内容、時間は企業が選択できる。 集約営業所で運行管理業務が困難な場合は、被集約営業所の運行管理者が自身の営業所で、運行管理業務を実施する体制が求められる。
 集約営業所に必要な運行管理者の人数は、集約営業所が管理する車両数と、対象の被集約営業所が管理する車両数を足した数を必要な人数とする。被集約営業所は、管理する車両台数に応じた人数を選任する。
 他にも、集約する運行管理者は地理情報、道路交通情報といった一元化する運行区域の必要な情報を把握して業務を行うことや、被集約営業所に所属するドライバーと事前に面談し、十分にコミュニケーションを取ることも条件となる。