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24/03/11

斉藤国交相、「物流持続成長に全力」と全ト協理事会で決意示す

 

あいさつする斉藤国交相(右)と全ト協の坂本会長

 斉藤鉄夫国土交通相は7日、全日本トラック協会の理事会に出席。政府の物流革新政策パッケージに基づく施策を通じ「関係省庁や産業界と連携しながら、エッセンシャルワーカーであるトラックドライバーの賃上げ、労働環境改善に取り組み、わが国の物流の持続的成長の実現に向け全力を尽くす」と語った。
 斉藤国交相はあいさつの冒頭、1月1日に発生した能登半島地震の被災地支援へ、全国のトラック協会が緊急物資輸送に協力したことに感謝を表明。「各ト協のおかげで、物資の荷さばき・整理・配達まで効率的に行うことができた」とした。
 トラック運送業が直面している、ドライバーの労働規制強化に伴う2024年問題では、「業界のみならず、荷主や消費者、政府が同じ危機感を持ち取り組まなければいけない」と強調。荷主・元請けを監視するトラックGメンによる是正指導の強化、今年度中の標準的な運賃引き上げに取り組んでいることを報告した。
 高速道路の整備では、昨年の法改正による高速道の有料期間延長で得られる財源を生かし、「更新を着実に進め、ドライバーが使いやすくなるよう、暫定2車線の4車線化、サービスエリア・パーキングエリアの大型車駐車ます拡充などを計画的に進める」とした。
 さらに、賃上げを含むドライバーの労働条件改善も目指した物流総合効率化法・貨物自動車運送事業法の改正案が2月13日の閣議決定を経て、今国会に提出。「法案を成立させ、大きく改善を図っていきたい」と意気込んだ。

外国人活用、安全・待遇が前提

 理事会のあいさつで、全ト協の坂本克己会長は、業界が直面する24年問題に対する国交省をはじめ関係行政の支援策を最大限活用するように呼び掛けた。さらに外国人労働者の在留資格である特定技能に、トラック、バス、タクシー3業態のドライバーの追加が検討されていることに関しては、「事故を起こさせない、給料をしっかりと保障することを前提に、幅広く労働力を確保していくために取り組んでいく」と語った。