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24/03/07

ANAとロジレス、物流DXでECの翌日配送範囲を拡大

 全日本空輸(=ANA、本社・東京、井上慎一社長)とEC自動出荷システムのロジレス(本社・東京、足立直之CEO)は4月1日、ANA羽田発岡山行き定期便を活用した輸送で一部のEC事業者、倉庫事業者を対象に、関東発、中国・四国の岡山以西へ翌日配送するサービスを開始する。ドライバーの労働規制強化に伴う物流2024年問題で、EC事業者が翌日配送できなくなることに物流DX(デジタルトランスフォーメーション)で対応する。
 ロジレスが提供するEC自動出荷システムは、OMS(受注管理システム)とWMS一体型で、受注情報を人手を介さず倉庫側と共有。そのため顧客からの発注、倉庫での発送、ANAの飛行機の空きスペース活用がシステムで一括管理され、輸送までの過程が簡素化されることで、航空便搭載までのリードタイムが最大4時間短縮され、日中の国内線定期便の出発の間際まで荷物を受け付けられるようになる。
 ロジレスのEC自動出荷システムを利用する多くのEC事業者、倉庫事業者が新サービスを利用すれば、コンテナに複数の事業者の荷物を混載でき、従来のトラック輸送と同等以下の輸送単価に抑えらえるという。EC事業者が関東から九州に配送するコストを試算したところ、現状のトラック輸送より約2割費用を削減できることが分かった。
 4月1日以降、関東発、岡山以西への配送を翌日配送できるほか、翌日配送が難しかった九州全域(島しょ部を除く)配送が可能となる。さらに今秋をめどに、全事業者に対象を拡大する。
 これまでは、EC事業者の担当者による受注処理後に出荷指示が倉庫に送られていたため、倉庫にデータが届くまでに時間がかかるなどして、航空便を活用しようとしても最速で翌日早朝便への搭載となっていた。

EC発注から飛行機搭載までの流れ