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24/03/06

国交省、デジタコ普及目標設定へ 有識者検討会立ち上げ

 トラック業界でデジタルタコグラフの活用を広げるため、国土交通省は2月28日、有識者検討会を立ち上げた。今後必要な調査を行った上で、今夏にも普及目標や普及策を設定する。デジタル技術による運行管理の高度化を進めることで、運送企業の安全対策を強化すると同時に、効率化や生産性向上につなげる。
 デジタコの普及促進は、政府が昨年まとめた物流政策パッケージに盛り込まれた施策。ドライバーの残業上限規制に伴う物流停滞が懸念される中、回避するには効率化と生産性向上を図る観点からもデジタコの活用が重要とし、将来的な義務付けも視野に入れつつ、強力な普及策を図ることが盛り込まれていた。
 検討会では2つのテーマを議論する。このうちの一つがデジタコの有用性で、メーカー各社で導入の進む動態管理や安全運転指導、勤怠管理といった機能が、運行管理の高度化や効率化にどう寄与するかを整理する。

義務化急がず活用裾野広げ

 もう一つが、トラック業界での将来的な普及率目標の設定で、運送企業の負担も考慮しつつ、達成に向けた普及策をまとめる。毎年、普及率を確認するフォローアップも行っていく。
 2月28日の初会合では、メーカー各社の機器の現状や、国交省が昨年行った調査を基に運送企業の搭載状況などを確認。普及目標を検討する上で、委員から「企業規模や車両総重量などを踏まえ、より詳細にアンケートをした方がいい」との意見があったことから、国交省は今春にも運送企業への調査を実施。普及目標を設定する際の材料とする。
 一方、デジタコの義務化については「政策パッケージに盛り込まれているが、すぐに定めることは考えていない」と国交省。まずは普及目標を設定し、活用の裾野を広げた上で、将来的な義務付けに備える考えだ。