• 統計・データ

24/02/26

首都圏・本社移転、「転出超過」は5割減も3年連続

 帝国データバンクが行った2023年の首都圏・本社移転動向調査で、転出企業数から転入企業数を差し引いた「転出超過」は前年比51・9%減の37社。3年連続の転出超過だった。首都圏で3年連続の転出超過は13年連続だった1990~2002年以来21年ぶり。
 首都圏から地方へ本社移転した企業は年間で347社。22年に比べ12社、3・6%増加した。1990年以降2番目の高水準を記録。また、90年以降初めて3年連続で300社を超え、首都圏から地方へと本社移転する流れが続いた。一方、地方から首都圏へ本社移転した企業は年間310社で、2022年に比べ52社、20・2%増だった。増加率は03年の21・5%に次ぐ3番目の高さ。地方の成長企業を中心に首都圏へ本社を移す動きが強まった。
 地方への転出企業数は高水準を維持しているものの、首都圏の企業吸引力が急回復したことを背景に、地方中堅企業を中心とした首都圏一極集中の動きが再び活発化した。
 首都圏から地方への転出先で最も多かったのは大阪府の39社。次いで茨城県の37社だった。大都市圏の他、東京などへアクセスしやすい北関東など首都圏近郊に集中する傾向が見られた。
 業種別では、「サービス業」が転出と転入で最も多く、中でも先端技術産業を含むソフトウエア業の転出が21社で、サービス業全体の転出の1割超を占めた。「不動産業」の転入は1990年以降最多の30社で、コロナ前の1・7倍だった。
 

首都圏からの「転出超過」は前年比5割減の37社

首都圏への転入、転出共に「サービス業」が最多