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24/02/19

国交省、物効法改正で待機削減へ荷主・倉庫などを規制

 国土交通省は13日、物流総合効率化法の改正案を閣議決定した。工場や物流センター周辺での長時間の荷待ち、負担の重い荷役を行わせる運送企業、倉庫、荷主を対象に罰則付きの規制を行うことにした。年間の輸送規模や物量が基準となる。春に適用されるトラックドライバーの労働規制強化を踏まえ、労働環境改善を目指す。物効法の改正は省エネ法を参考にした。   
 年間で製造・流通する半分程度のシェアを握る発・着荷主約3000社と、トラック、鉄道、港湾運送、航空運送、倉庫の各物流企業のうち、保有車両200台以上の運送約400社、年間で保管する物量の半分程度のシェアを握る倉庫約100社などを「特定事業者」として政令で指定。荷待ち・荷役作業時間の短縮、所管官庁への3~5年の中長期計画の作成・提出と毎年度の報告を義務付ける。さらに、特定事業者である「特定荷主」には物流業務全体の進ちょくを管理する役員級の「物流統括管理者」の選任も義務付ける。

統括管理者未選任も罰金に

 取り組み状況が不十分な場合、所管官庁が是正勧告を行う。その後、命令にも従わなければ、100万円の罰金または1年以下の拘禁刑となる。計画未提出の場合の罰金は50万円。特定荷主が物流統括管理者を選任しない場合も、100万円の罰金が科される。
 取り組み状況の評価制度は今後構築する。また特定事業者に該当するか否かは、輸送能力、保管能力、取扱物量を基に毎年判定する。
 施行時期は、中長期計画作成、物流統括管理者の選任は改正物効法の成立から2年後。
 一方、特定事業者以外の発・着荷主、物流企業に対しては、物流改善に向けた取り組みを努力義務として課し、法案成立1年後から国が進ちょくを調査する。取り組むべき内容は、国が昨年6月に策定したガイドライン(指針)を基に今後立ち上げる有識者会合で決定する。パレット荷役、トラック予約受付システムの活用、ゆとりある納品時間指定を想定し、その中から実施できそうなものを各社に選択させて行わせる。

元請けと利用運送努力義務

 さらに、元請けと利用運送企業には荷主の物流改善に協力するための努力義務、コンビニのように店舗運営はオーナーが行い、物量を別の部署が管理している場合は該当部署に荷主と同等の努力義務を課す。物流企業と契約し、到着日時の指定などを行っている荷主のみ対象となる。
 経済産業省、国交省、農林水産省による合同省令で、国が指導や取り組み状況調査を行うための判断基準を公表する。「荷物特性や企業規模に応じて行えそうな効率化を各社に考えてもらう」と国交省。
 また「着荷主は輸送してもらう物量を把握していないことが多く、施行までに周知する」としている。法施行後3年で、荷待ち・荷役時間はドライバー1人当たり年125時間削減、トラックの輸送能力は16%増加を目指す。
 荷主・物流企業への規制的措置は、ドライバーの残業上限規制に伴う2024年問題の対策として、政府が昨年まとめた物流政策パッケージに盛り込まれた施策の一つ。