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24/02/16

大王製紙と北越コーポレーション、5月めどに物流や生産で業務提携へ

 大王製紙(本社・東京、若林賴房社長)と北越コーポレーション(同・新潟県長岡市、岸本晢夫社長兼CEO)は2月13日、戦略的業務提携に向けた検討を開始することで合意した。製品物流や生産技術、原材料購買の分野で、5月をめどに契約締結を目指す。
 両グループの物流網を活用した改善を進める。互いの生産拠点間のラウンド輸送、コンテナの有効活用によるモーダルシフト推進の他、物流倉庫の相互活用や共同配送に取り組む。紙・パルプの生産性・品質向上、原価低減に向けた技術協力、OEM(相手先ブランド製造)体制の構築なども検討する。各種原材料調達プロセスを効率化し、木材チップ調達での協力体制を構築。自製パルプや各種原材料を相互融通する。
 大王製紙は1943年設立。東京都千代田区に本社を置き、紙・板紙製品、家庭紙製品の製造・販売を手掛ける。資本金は538億8400万円。2023年3月期の連結売上高は6462億1300万円。北越コーポレーションの株式の1・4%を保有している。
 北越コーポレーションは1907年設立。長岡市に本社を置き、紙・パルプ製品の製造・販売を手掛ける。資本金は420億2000万円。23年3月期の連結売上高は3012億400万円。大王製紙の株式の24・8%を保有している。
 製紙メーカーとして、両社は互いに株式を持つ両社の強みを掛け合わせ、共に構造改革・収益基盤の強化を目指す。中長期的には、新技術の共同開発やエネルギー転換、DX(デジタルトランスフォーメーション)推進、森林資源活用などでの協業も検討する。
 国内では、紙需要の減少や需要構造の変化、木材チップ・石炭・重油など原燃料価格の高止まりが続く。ドライバーの残業上限規制に伴う24年問題・環境負荷低減への対応も求められる中、両社は経営課題として、基幹工場の構造改革による競争力強化や、事業ポートフォリオの変革が重要との認識を共有。業務提携に向けた分科会レベルの初期的な検討・協議を23年9月に開始していた。