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24/02/16

セイノーHDなど、長野県王滝村でドローン活用した災害時輸送を実証

 

医療物資を搭載した箱を切り離しておんたけ休暇村を飛び去る「AirTruck」

 セイノーホールディングス(本社・岐阜県大垣市、田口義隆社長)とエアロネクスト(同・東京、田路圭輔CEO)は2月7日、長野県王滝村で陸と空をつなぐ新スマート物流「Sky Hub」の社会実装に向け、災害時の物資輸送を想定した実証実験を行った。災害時などで発生する孤立問題の解決をすべく、住民の理解度向上や定期飛行に向けた課題の洗い出すのが目的。
 物流専用ドローン「AirTruck」を使用した。実験では、「おんたけ休暇村」と王滝村中心地をつなぐ道路が災害で寸断され、陸路で行き来することが困難になることを想定。ドローンが医療物資を積載し、崩越地域のテニスコートからおんたけ休暇村間の片道約10キロメートル、約21分間を飛行した。
 機体の制御には、KDDIスマートドローンが開発したモバイル通信を使用し、機体の遠隔制御・自律飛行を可能にするスマートドローンツールズの運行管理システムを活用した。
 

医療物資はドローン配送で置き配された

 医療物資を受け取った住民は、「能登半島地震の被災地でも多くの孤立地区が発生した。今回のドローン配送を見て安心したので是非実用化してほしい」との感想が聞かれたという。
 王滝村は、御岳山麓に位置する村で、急峻な場所が多い。袋小路のため、主要幹線道路が被災した場合は孤立する可能性が高い地域。高齢化や人口減少、過疎地域を抱える中で、高齢者の見守りや買い物支援、過疎地域への災害時の物資供給、などの課題がある。
 今後も、地域住民への理解促進や地域課題の解決へ向け、社会実装に向けた検討を進めていくとしている。