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24/01/22

公取委、価格転嫁協議不十分で8175社に注意喚起文書

 受注企業との価格転嫁協議に十分に応じなかったとして、公正取引委員会は昨年12月27日、発注企業8175社に注意喚起文書を送付した。このうち、道路貨物運送業は460社だった。一方的に著しく低い対価で取引を求めることは、独占禁止法の優越的な地位の乱用につながる恐れがあるため、公取委は該当企業に改善を求めている。
 特別調査は2022年6月~23年5月の取引が対象で、約11万社に調査票を送付。回答のあった約4万7000社の17・1%に当たる企業に注意喚起文書を送った。おととしの緊急調査では、注意喚起文書の送付割合が21・2%で、前回よりも4・1ポイント減少した。
 注意喚起文書を送付した全39業種のうち、最も多かったのは情報サービス業で755件。協同組合が559件で続いた。道路貨物運送業は460件となり、全体で3番目に多かった。
 道路貨物運送業、倉庫業をはじめ、労務費、原材料費、エネルギー価格などの転嫁が円滑に進んでいない業種について、公取委はサプライチェーンでの多重下請け構造により価格転嫁が進んでいないことがうかがえると指摘。昨年11月に適切な転嫁に向けた価格交渉の指針を公表しており、発注者と受注者が行動に移し、対策を講じることを求めている。