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24/01/16

人手不足倒産、2023年は過去最多260件 物流業は倍増

 2023年、人手不足による企業倒産は過去最多の260件だった=グラフ1。このうち、物流業は前年の約2倍に当たる39件。同2・7倍の91件の建設業に次ぐ高水準だった。ドライバーの残業上限規制に伴う「2024年問題」が顕在化し、建設・物流業が人手不足倒産の半数を占めた=グラフ2。
 帝国データバンクが人手不足倒産の動向を分析した。23年中に人手不足を理由に事業継続を断念したケースは、累計260件。13年の統計開始から最多だった19年の192件を更新した。19年は、国内景気の上向きなどで人手不足が顕著に表れていた時期。また、20年以降は新型コロナウイルスが感染拡大して経済活動が制限され、一時的に人手不足感が緩和されていた。
 23年は、新型コロナの感染症法上の分類が5類に移行。徐々に経済活動が本格化し、人手不足は再び重大な経営リスクとして顕在化した。人手不足倒産は、4月には月次で過去最多の30件に達し、8月以降は5カ月連続で20件以上を記録した。さらに、団塊の世代が後期高齢者に到達する「2025年問題」も控え、労働力人口の高齢化も進む。
 帝国データによると、24年度の景気見通しで「人手不足」を懸念する企業は、前年比14・4ポイント増の40・5%。「原油・素材価格(の上昇)」に続き、全項目の中で2番目に高い。
 さらに、正社員の人手不足を感じている企業は23年12月時点で53・1%。コロナ禍の20年4月以降で最も高くなった。帝国データは「今後も人手不足の解消が大きく進まない場合には、踏ん張り切れずに事業をたたまざるを得ないケースが高水準で発生する」とみている。

グラフ1 人手不足倒産 年間推移

グラフ2 人手不足倒産 業種別割合