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24/01/12
物流・自動車局予算案、24年問題対策のため商慣行是正や行動変容へ
昨年10月に発足した国土交通省物流・自動車局の2024年度予算案がまとまった。11月成立の今年度補正予算と連動させた「16カ月予算」を編成。10月の組織改正に合わせ、物流分野と自動車分野を一体化させた。トラックドライバーの残業上限規制施行に伴う24年問題の解決に向け、商慣行是正や荷主・消費者の行動変容につなげる。
自動車局と物流部門の統合に伴い、来年度予算は両分野を一体化した。物流・自動車局予算は一般会計、自動車安全特別会計、財政投融資特別会計を合わせ、23年度比1・7倍の1170億300万円。そのうち24年問題の解決へ、23年度比22倍超の482億3500万円を計上した。荷主・物流企業間の商慣行是正、荷主と消費者の行動変容に新たに取り組む。
162人の「トラックGメン」による、適正取引を阻害する荷主や元請けの情報収集費、その後の調査費に活用するため2億4600万円を新たに計上した。貨物自動車運送事業法に基づき、違反が確認された荷主・元請けに対する働き掛けにつなげ、適正な取引環境整備を目指す。
行動変容では新たに23年度補正予算44億9000万円を活用。再配達削減へ、通販サイトで消費者が荷物の受取方法や配送日時を指定できるようにし、そういった行動をした消費者にポイントを付与する。他に30億8800万円を活用し、物流施設の機械化に向けたピッキングロボットや無人搬送車、デジタル化に向けたトラック予約受付システムの導入も支援し、荷待ち削減につなげる。
加えて財政投融資322億円(23年度比16倍)を活用し、物流総合効率化法認定事業への支援を拡充する。来年度、物効法を改正し、国から資金を借りた企業が借用分の全額返済型だけでなく、事業を通じて得た利益のみ国庫に納める形での補助も行えるようにする。
補助要件は、物流拠点を集約し共同輸配送を図る場合に、DX(デジタルトランスフォーメーション)や環境対策も行うこと。具体的には運行計画システムを導入し積載効率向上につなげたり、蓄電池やEV(電気自動車)を活用する必要がある。共同輸配送で得られるメリットを増やし、取り組みやすい環境を整備することで、効率化を図る。