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24/01/12

24年度環境・安全関連予算案、商用車の電動化促すため大型補助で脱炭素推進

 国土交通省の物流・自動車局は来年度、脱炭素の施策を加速する。商用車の電動化促進に向けては、2023年度補正予算案で大型補助事業の費用を計上した。24年度予算案では次世代大型車の開発費を盛り込み、産官学で取り組みを進める。
 商用車の電動化促進事業では今年度比約3倍の409億円を活用し、自動車分野の脱炭素を進める。今年度の補助対象はトラック、タクシーだったのに対し、来年はバスと充電設備も加える。トラックの場合、電気トラックやプラグインハイブリッドトラック、燃料電池トラックを対象とし、通常車両との差額の3分の2を補助する。
 24年度予算案では、次世代大型車の開発促進事業に今年度比12%増の5億7800万円を充て、産官学の研究を進める。具体的には、水素燃料電池車の燃費測定方法を確立したり、合成燃料使用時の排出ガス性能と車両信頼性への影響を検証したりする。
 一方、安全対策では今年度とほぼ同額の13億2900万円を活用し、デジタルタコグラフ、ドライブレコーダーなどの機器を導入する運送企業の一部費用を補助する事業を展開。このうち、先進安全自動車(ASV)は左右に車が接近している場合、注意喚起する後側方接近車両注意喚起装置を新たに加える。
 また、運輸業界の安全対策を進めるため、新たに1億9000万円を確保。このうち、軽貨物自動車の対策に7000万円を充て、指導・監督マニュアルの作成や法令セミナーの実施、eラーニングシステムの導入などを展開していく。