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24/01/10
南海電鉄、泉北高速を吸収合併し25年度早期に経営統合へ
南海電気鉄道(本社・大阪市、岡嶋信行社長)は泉北高速鉄道を吸収合併し、2025年度早期の経営統合を目指す。グループ経営の効率改善を通じ、サステナブル(持続可能)な公共交通の実現を図る。運賃設定を改革し、初乗り運賃の二度払い解消などを検討する。また、競争力のある流通センターの確立へ経営資源を投入する。
南海電鉄は22年4月、グループ会社が保有していた泉北高速の全株式を取得し、完全子会社化した。一方、沿線人口の減少やコロナ禍を通じた生活様式の変化などで、鉄道事業の構造的な需要減は継続。さらに人材確保が困難になることも確実視されている。このため、それぞれに鉄道と不動産賃貸という同種の事業を手掛けてきた両社の経営を統合し、持続可能な事業体制を確立する。
泉北高速が運営する鉄道事業(中百舌鳥―和泉中央間)は、南海電鉄高野線(難波―中百舌鳥間)との相互直通運転を行い、泉北ニュータウンなど堺市と和泉市にまたがる郊外住宅エリアと大阪都心を結ぶ地域の交通インフラとしての役割を担っている。また、東大阪市と茨木市で運営する東大阪、北大阪流通センターは、トラックターミナルや流通倉庫、配送センターなどの物流施設が一体的に立地する一大流通拠点。
運賃改定では、一例として、南海電鉄の難波―泉北高速の泉ケ丘間の通勤定期を従来比21・7%減額の1万8770円、通学定期を同37・3%減額の6060円とする運賃案を検討。これまでに地域から寄せられてきた要望に応え、交流人口・関係人口増加や子育て世代の流入促進を図る。