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23/12/21

三井倉庫HD、4社合同の国際物流改善でグリーン物流PS「特別賞」

 三井倉庫ホールディングス(本社・東京、古賀博文社長)は12月4日、「令和5年度グリーン物流パートナーシップ優良事業者表彰」の特別賞を受賞した。三井倉庫HD、フォスター電機、両備トランスポートカンパニー、岡山土地倉庫の4社合同で取り組んだ国際物流の改善が評価された。
 フォスター電機のミャンマー発日本国内向けの自動車部品の国際物流で、全面的に枠組みを改善。製品出荷元から輸送を見直し、検品倉庫・仕出し・仕向け港などを変更した。ミャンマー国内と日本国内の陸送距離をそれぞれ大幅に短縮。物流の二酸化炭素排出量やドライバーの拘束時間を削減した。
 特に国内の長距離輸送の削減に向けて、積極的に地方港を活用。従来のミャンマー・ヤンゴン港発名古屋港向けの船から、より製造工場に近い同ティラワ港発神戸港向けの船を選択した。さらに、神戸港で内航船に積み替え、岡山県倉敷市の水島港へ輸送。水島港内の倉庫でデバン、検品、通い容器詰め替え作業を実施し、顧客の門前倉庫から客先の岡山市の自動車工場へ納入する枠組みに変更した。また、水島港内の岡山土地倉庫に検品機械ごと移管し、作業員への検品トレーニングを実施した。
 同物流ではこれまで、名古屋港で陸揚げされた貨物を三重県伊賀市まで陸送していた。伊賀市の物流センターで検品して通い箱に詰め替え、岡山市の客先に納入。自動車部品物流では通い容器を使用するため、片道270キロメートルの距離でありながら必ず往復輸送が発生し、環境負荷やドライバーの拘束時間が課題となっていた。
 三井倉庫HDによると、今回の取り組みで、国際一貫輸送での二酸化炭素排出量は従来の34%に当たる年間61・2トン削減した。このうち、日本国内では同90%に当たる同54・7トン削減。また、ドライバーの拘束時間は同80%に当たる同1024時間削減した。
 グリーン物流パートナーシップ優良事業者表彰は、国土交通省、経済産業省、日本ロジスティクスシステム協会、日本物流団体連合会が実施。持続可能な物流体系の構築に向けた荷主・物流事業者が連携した取り組みの普及促進を目的に、特に顕著な功績を表彰している。

地方港を活用し、国際物流の枠組みを全面的に改善