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23/12/12

物流施設での待ち時間 ドライバー8割が休憩の余裕無し

 物流施設を訪れるドライバーの約8割は、休憩室などをほとんど利用出来ていない。三井不動産が、テナントを利用するドライバーや従業員約7000人に実施したアンケートで分かった。


 調べによると、ドライバーの約8割は物流施設の休憩所・喫煙所をほとんど利用できていない=グラフ1。または「バース入庫までの時間がある場合」に限られる=グラフ2。物流施設での待ち時間で、ドライバーが常にあわただしく食事やトイレを済ませている実態が明らかになった。


 ドライバーの個別ヒアリングでは「荷主からの入庫許可の連絡に遅れたくないので、待機場でもトラックは離れない」「行き先がすぐに分かるよう、物流施設に入った瞬間に受付や入居企業が分かる看板表示があるとよい」などの回答が挙がった。
 三井不はドライバーの荷待ち時間の削減に向け、今年10月からハコブ社のバース予約システムを全施設で標準採用。今後さらにテナント企業の導入を促進し、効率化を進める。また、バース予約システムと入退場時の車番認証との連携を一部施設で導入する。
新築物流施設の設計段階では、トラックドライバーが利用しやすい場所にあるトイレ、休憩所およびコンビニエンスストアなどの配置を検討。動線・案内標識・サインは、より効率性を重視した仕様へ改善する。既存物流施設では、トラックを離れなくても受けられるサービスの提供などを検討する。
 調査は今年8~9月、関東・中部・関西・中国エリアの23物件のテナント約110社を対象に、ウェブアンケート形式で実施。物流2024年問題の対策検討に向けて、初めてトラックドライバーを調査対象に含めた。従業員・ドライバー計約2万人から、従業員5718件、ドライバー1345件の回答結果をまとめた。