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23/12/11

国交省、標準的な運賃見直しに向け週内に提言公表

 

業界関係者を集め、8月から、検討会を3回開催した(写真は初会合の様子)

 国土交通省は7日、標準的な運賃などの見直しに向けた有識者検討会で、提言案を示した。焦点の一つだった運賃水準は、全国平均で数%引き上げるとみられる。料金も従来の待機料に加え、積み降ろしで30分当たりの水準を示す方針で、運送企業が荷主と交渉する際の参考にしてもらう。
 同日の会議で提言案を提示し、委員からおおむね了承を得た。週内にも提言を公表する。年明けに運輸審議会に諮った上で、妥当と判断されれば、新たな標準的な運賃として告示する。適正運賃・料金収受を推進するため、標準運送約款も同じ時期に改正する。
 焦点の一つだった運賃水準は、各ブロックごとに示されるタリフ(運賃表)を平均すると、数%ほど引き上げる方向で調整しているようだ。ドライバーの残業上限規制に伴う2024年問題対策として、政府が10月に策定した物流革新緊急パッケージでは、現下の物価動向を反映することが盛り込まれており、「人件費、燃料費、車両費などの各コストの上昇分を踏まえ、最終的に精査する」(国交省)。

積み込みなどにも水準示し

 料金は、従来の待機時間料に加え、積み降ろしの標準的な料金水準も示す。公共工事の労務単価などを基に算出し、全国一律で「30分当たり幾ら」といった形で金額を出す。政府は1運行当たり荷待ち・荷役を2時間以内に抑える目標を示しており、2時間を超えた分の割増料金も設定する。
 トラック業界では、多重下請け構造が課題となっていることから、下請けに対する全国一律の手数料水準も提示する方針。運送企業が運賃と料金のどちらも取れるよう、標準運送約款に対価を収受することを盛り込む。
 また、物流の効率化を進めるため、多様な運賃・料金を設定できるように内容を見直す。具体的には個建て運賃の考え方を示し、共同輸配送を進めやすい環境を整える。リードタイムを早める必要がある場合や、荷主が有料道路を使わずに輸送を依頼した場合の割増運賃の考え方も示す。
 この他、特殊車両の割増運賃についても、これまでは冷凍・冷蔵車のみだったが、新たな標準的な運賃では海上コンテナ車、ダンプ車なども示していく。