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23/12/11

業務前自動点呼、来年度に導入に向けた要件を議論

 人の代わりにロボットなどが点呼を行う自動点呼を業務前でも導入できるようにするため、国土交通省は来年度、具体的な要件の検討に入る。運行管理で不可欠なドライバーとの道路情報の即時共有や、体の不調が判明した場合の業務可否判断の方法などが焦点となる。運送企業のニーズを踏まえつつ、慎重に検討し、早期の制度化につなげたい考えだ。
 業務前自動点呼の導入に向け、国交省は今年、トラック、バス、タクシーの各業界団体から推薦のあった企業を対象に、2段階に分けて実験を行ってきた。このうち、9~10月に行った後期の実験では、運行管理者は点呼に立ち合わず、営業所への出勤のみ必須として実施し、複数の課題があることが分かった。
 例えば、リアルタイムに発信が求められる通行止めや気象に関わる情報などを、ロボットからドライバーに連絡することは難しかった。結果を踏まえ、ロボットへの連絡事項の事前入力に加え、ドライバーがすぐに必要となる情報を、ロボットと運行管理者のどちらが伝達するかを検討する。
 また健康状態の確認については、ドライバーによる申告、機器での確認項目として、体温や血圧といった具体的な項目を求めるかを検討。機器で確認した結果、異常値が出た、もしくは自己申告で不調を訴えた場合、連絡を受けた運行管理者による確認を求めるかも議論する。
 ドライバーから健康不安の申告があった際、ロボットではなく、運行管理者が運行可否を判断するかも検討する方針で、その他の要件も含め早期に決定し、制度化につなげる。