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23/12/06

アサヒG×ネクストロジ、量子コンピューター活用の配車システムで実証

 アサヒグループジャパン(本社・東京、浜田賢司社長)とネクスト・ロジスティクス・ジャパン(同・同、梅村幸生社長)は12月1日から、量子コンピューターを活用した配車・積み付けシステム「ネロス」で拠点間運行効率化の実証を行う。ドライバーの残業上限規制に伴う物流の2024年問題に対応すべく、積載率向上や省人化の効果を検証する。
 アサヒグループジャパン傘下のアサヒロジが実証に参加し、関東―中部―関西の拠点間の運行にネロスを活用する。外部システムとの適合性・連動性に加え、荷姿・重量・発着地・運行車両などの情報を掛け合わせたシステム運用が成立するかを確認。二酸化炭素排出量削減効果も検証する。
 ネクストロジは、実証データを基に運行経路・計画の最適化や、二酸化炭素排出量の可視化の機能をネロスに加えるなど、システムの利便性向上を図り外部への展開を目指す。
 従来、人の手で2時間以上かかっていた配車と荷物の組み合わせを割り出す作業を、ネロスは約40秒で算出し完了できる。既にネクストロジが自社の物流業務に活用しており、業界の平均積載率が38パーセントなのに対し、システム導入後は、同社の積載率が68パーセントに向上。ダブル連結トラックなどの効果と合わせて43パーセントの省人化を実現し、二酸化炭素排出量も26パーセントの削減効果があった。
 2社はこれまでにも、燃料電池大型トラックの走行実証などに取り組んできた。今後も24年問題に向けた対応を強化し、持続可能な物流の実現を目指す。