• 物流機器メーカー
  • 注目

23/12/06

ワールドスキャンプロジェクト、開発中の空飛ぶEVクレーンで試験飛行

 ドローンやセンサーの開発を行うワールドスキャンプロジェクト(本社・東京、上瀧良平CEO)は10月30日、千葉県でドローンを活用したクレーン「スカイクレーン」の試作機の飛行テストを実施。機体よりも重い80キログラムの荷物移動に成功した。未来の建設インフラ開発の一環。建設業界や物流、被災地での実用化を目指す。
 スカイクレーンは、ドローンにより荷物を運搬する。一般的なクレーン同様に機材は人が操作するが、機材が地上ではなく空中を移動する。
 試作機の機体サイズは、幅280×奥行き280×高さ110センチメートルで、モーターは100ボルト、最大推力300重量キログラム。バッテリーは100ボルト。機体重量は約70キログラム。
 飛行テストでは、機体重量より重い80キログラムの荷物を載せた状態で地上1メートルの高さまで浮上。7分間にわたり高度を維持しながら、前後左右5~7メートルの移動に成功した。
 スカイクレーンは自動化された作業を行うため、通常のクレーンよりも迅速で正確な動作ができる。このため、建設現場での作業効率の向上や安全性の向上などが期待される。従来のクレーンがアクセスしにくい場所でも作業ができるため、建設現場での空中資機材運搬や、貨物船の積み荷作業、鉄塔メンテナンス時の資材運搬、離島や過疎地への荷物運搬、被災地への救援物資運搬の活用も可能だ。
 将来的には、法規制が整備されることで普及が進むと期待される。

テスト飛行に成功した「スカイクレーン」開発初号機