• 行政・業界団体

23/11/28

荷主・物流業界団体、適正化、生産性目指し自主行動計画策定で動き

 経済産業省、国土交通省、農林水産省は、物流業界団体と荷主団体に対し、物流の適正化・生産性向上の対策をまとめた自主行動計画の策定・公表を求めている。来年4月の残業上限規制に対応するための取り組みで、既に計画を策定した団体が出始めている。
 自主行動計画は6月、政府が策定した物流適正化・生産性向上の指針に盛り込まれた施策。各業界団体は指針を基にどんなことに取り組むかをまとめることが求められており、荷主、物流企業を所管する3省が要請している。業界団体が過去に自主行動計画を策定していた場合は、内容を加筆修正しても構わない。
 22日時点で、日清食品ホールディングスや東洋水産が加盟する日本即席食品工業協会、尾家産業や久世といった業務用食品卸が加盟する日本外食品流通協会が自主行動計画を策定・公表した。

荷待ち・荷役の把握を実施

 両団体とも、発・着荷主共通の取り組みと、発荷主、着荷主それぞれのの取り組みをまとめた。例えば、共通事項では効率化・合理化のため、荷待ち・荷役作業時間の把握や、1運行当たりの荷待ち・荷役を計2時間以内とすることを記載。運送契約の適正化では契約の書面化、運賃と料金の別建て契約などを盛り込んだ。
 物流団体も自主行動計画策定へ動いている。日本冷蔵倉庫協会は業界標準部会で、自主行動計画策定に向けたマニュアル作りの議論を行っている。全日本トラック協会は10月末、2017年3月に下請けとの取引条件改善に向けて策定した計画を改定。元請けによる実運送会社への対価の支払い確認、標準的な運賃の考え方を活用した運賃・料金設定などを盛り込んだ。