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23/11/14

国交省、「トラックGメン」による監視強化へ集中月間スタート

 国土交通省は11~12月を「集中監視月間」と位置付け、トラックGメンの監視体制を強化する。同省が設置した相談窓口から集めた情報に加え、全国の運送企業に行った調査結果を基に、適正取引を阻害する疑いのある荷主、元請けへの是正措置を展開する。繁忙期に入る期間に対策を強化することで、下請けによる適正コスト転嫁を推進する。
 新たに取引実態を把握する情報として、国交省が実施した調査結果を活用する。調査はトラックGメンの発足後、全国の運送企業6万3251社に実施。9~10月の期間中、ウェブ、もしくはファクスで答えられるようにし、まずウェブで収集した1万629社分の回答結果をまとめた。ファクス分は現在も集計作業を行っている。
 国交省によると、違反原因行為の疑いがある荷主の分類では、発荷主が46%で最多。利用運送企業を含めた元請けが28%と次いで多く、着荷主は21%だった。

収集情報と合わせ対策推進

 違反の分類では、「長時間の荷待ち」が最も多く38%を占めた。「運賃・料金の不当な据え置き」は22%、「契約にない付帯業務」は20%だった=グラフ。違反があるとした回答のうち、どの輸送品目で起きているかに関しては、食品(20%)、飲料品(13%)、日用品(10%)が上位を占めた半面、それ以外にもさまざまな分野で答えがあった。
 調査では具体的な企業名や違反原因行為も聞いているとみられ、トラックGメンはこれまで収集した情報と照らし合わせ、問題のある荷主、元請けに対し、国交相による働き掛けや要請などの是正行為を行う方針だ。また、集中監視月間の期間中、厚生労働省の荷主特別対策担当官や中小企業庁の下請けGメンなどと連携し、荷主、運送企業への合同ヒアリングも実施。
 これまで行った要請の事例を示しながら、運送企業や労働組合、トラック協会の適正化事業実施機関からの情報収集も強化していく。