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23/10/26

日揮HD、ペロブスカイト太陽電池24年に北海道・苫小牧埠頭倉庫で実証

 日揮ホールディングス(本社・東京、佐藤雅之会長兼CEO)は2024年、次世代太陽電池「ペロブスカイト太陽電池」の実証実験を北海道・苫小牧埠頭の倉庫で行う。フィルム状のペロブスカイト太陽電池の発電効果や耐久性を検証。物流施設の屋根や外壁を活用した新たな発電システムを確立し、早期の実用化と全国への普及を目指す。
 京都大学発のスタートアップ企業エネコートテクノロジーズが開発したペロブスカイト太陽電池で実証する。日揮グループでプラントなどの設計・調達・建設を手掛ける日揮が実証計画を策定し、苫小牧埠頭が設置場所を提供する。
 実証期間は、24年の年明けから約1年。苫小牧埠頭の倉庫などで主に使用されている凸凹状の屋根や外壁に、フィルム状のペロブスカイト太陽電池を設置する。発電の予測値と実測値を比較し、塩害・降雪地域での耐久性、既存の倉庫屋根や建物曲面への太陽電池モジュールの設置方法を検証する。ペロブスカイト太陽電池の実用化に向けた北海道内での実証実験は初めてといい、寒冷地でのデータ収集を見込む。
 ペロブスカイト太陽電池は、ペロブスカイトと呼ばれる結晶構造を用いた次世代太陽電池。シリコン系太陽電池に比べて薄く、軽く、柔軟で設置の対象範囲が広い。製造技術開発によって大量生産・製造コスト低下の可能性もあるという。また、日本発の技術で、主原料のヨウ素は世界産出量の約30%が国内産。

エネコートテクノロジーズが開発したペロブスカイト太陽電池

実証実験を行う苫小牧埠頭の物流倉庫