• 行政・業界団体

23/10/02

送料無料表示、「取引関連の法で禁止を」運輸系労組が国に要望

 

意見交換の様子。法律で送料無料表示を禁止してほしいとの声が聞かれた

 消費者庁は9月22日、通販の「送料無料」表示の見直しを検討するため、運輸系労働組合3団体と意見交換した。労組側からは、取引に関わる法律で、送料無料表示を不当なものとして禁じてほしいとの意見が聞かれた。
 交運労協、運輸労連、交通労連が出席した。交運労協は、消費者庁がサービスの価格表示ルールを定めた「景品表示法」で、送料無料表示を禁止することを提案。同法ではうそや大げさな表示を禁じたり、企業取引で利益を不当に害する恐れがないことを求めていることから、送料無料表記でも適用するよう求めた。
 また景品表示法に基づき、消費者庁が定めた特定商取引ガイドでは、販売価格に送料が含まれない時には送料を別途、金額で表示することが求められている。交運労協の蒔田純司事務局次長は「無料で商品を運んでいないにもかかわらず、無料と表示するのは正当か」と疑念を示した。

他業種の荷主の輸送に影響

 運輸労連や交通労連からは、ドライバーの労働価値やBtoB輸送への影響に関する指摘が上がった。運輸労連の世永正伸副委員長は「われわれの労働を無にするものではないか。すぐに表示をやめるべき」とした。
 交通労連の貫正和トラック部会事務局長は「通販を無料で運べるなら、他業種の荷主から当社の荷物も無料で運んでほしいといった冗談話も現場で聞かれる」とし、配送にお金がかかっていることが分かる送料込みといった表示にすることを要望した。
 政府が6月2日にまとめた「政策パッケージ」では、運賃・料金が消費者向けの送料に適正に転嫁・反映されるべきとの観点から、同表示を見直す方針が示されている。