• 物流企業

23/09/29

篠崎運送倉庫、埼玉・行田の自社施設内に木造定温倉庫

 篠崎運送倉庫(本社・埼玉県鴻巣市、山岸優太社長)は9月21日、埼玉県行田市の自社倉庫・行田物流センター内に木造定温倉庫をしゅん工させた。木造による高い断熱性と、省エネルギーの家庭用エアコンを組み合わせ、品質の確保と二酸化炭素(CO2)排出量削減の両方を実現。荷主のニーズと社会課題の解決に応える。

行田物流センターの倉庫内に木造の定温倉庫を建設

 

 所在地は行田市長野5ノ9ノ1の行田物流センター内。新設した木造倉庫の延べ床面積は約898平方メートル。倉庫3階部分の常温倉庫の一角に倉庫内倉庫として設置した。

 倉庫内は、橋梁(りよう)建設の際に使われるトラス構造を採用し、天井の強度を出して耐久性の高い無柱空間を実現した。また、木の強みである、夏は涼しく・冬は暖かい特徴を最大限に活用できるよう、住宅建築で採用されている工法で断熱材を使用した。高断熱・高気密性を強化し、家庭用エアコンのみで温度管理を可能にした。

トラス構造で柱を減らし、保管スペースを広くした

 

 物流業界では、近年の大幅な気候変動に対応するため、空調付き物流施設の需要が年々高まりを見せている。庫内の温度を一定に保ち、商品の品質を守る一方で、空調稼働によるCO2排出量の増加は避けられない課題もある。
 今回、篠崎運送倉庫が建設した木造定温倉庫では、倉庫内を省エネルギーの家庭用エアコンで多方面から冷やし、室内の温度を均一に保つことで質の高い温度管理ができる。特別な設備を設置せずにCO2排出量の大幅な削減もできる。
 既に同社は6月、岩手県北上市に全木造の環境に配慮した定温倉庫をしゅん工させている。