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23/09/27

山九、燃料電池フォークを実証 水素使い環境に優しく

 山九(本社・東京、中村公大社長)は8月2日から、お台場輸出入センター(東京都江東区)で燃料電池フォークリフトの実証を行っている。期間は今月30日までの2カ月間で、同社グループでの運用は初。実際の現場で使い勝手や環境性能などを試し、将来的な導入を見据えた検証の機会とする。
 都内で水素エネルギーの需要拡大と早期の社会実装を目指すため、東京都が実施する「燃料電池フォークリフトマッチング導入支援事業」に参加した。山九グループは2030年までに、二酸化炭素排出量を42%削減する目標を掲げており、4月に開設し、環境配慮型の次世代倉庫と位置付ける同センターで実証することとした。
 実証で使用するのは、トヨタエルアンドエフ東京から借り受けた燃料電池フォーク2台で、最大定格荷重は2・5トン。フル充てんで約8時間稼働できる。主に輸出入関連貨物の入出庫業務で運用し、エンジンフォーク、バッテリーフォークと比較しても操作性の違和感はなく、心配していたパワーも全く問題がないという。

将来的な導入を見据え、都のマッチング導入支援事業に手を挙げた

 

使い勝手良さ確かな手応え

 「(バッテリーフォークと比べて)よりスムーズに発進し、フォークリフトオペレーターもストレスなく運転できる」と東京支店お台場物流グループの永井孝幸グループマネージャー。
 水素にはにおいがなく、ガス臭さもないため、倉庫内で運用しても快適に作業ができる点も評価する。
 水素の充てんは、水素ボンベが12本入る専用ユニットを使用。フォーク右側のサイドパネル内にある充てんユニットに、充てんパイプと水抜きパイプを差し込んで行う。各チェック項目の確認からセッティング、充てんまでの時間は30分ほどで、水素の充てんは5~6分ほどで完了する。
 一方、充てん時は安全確保のため、周囲を立ち入り禁止とし、車両も通行止めにすることが必要に。永井グループマネージャーは「燃料供給体制を含め、より利便性が高まれば、燃料電池フォークを使いやすくなるのではないか」とする。
 山九グループの関係者も実証の視察に訪れており、環境負荷低減に向けた取り組みの選択肢の一つとして、今後は燃料電池フォークの本格導入も検討していく。