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23/09/22

JR東・新幹線の荷物多量輸送、長野―東京間でもトライアル

 JR東日本(本社・東京、深沢祐二社長)とジェイアール東日本物流(同・同、野口忍社長)は9月22日、北陸新幹線の臨時列車を活用し、長野と東京の新幹線車両基地間で食品や医薬といった荷物を多量輸送する実証実験を行った。新幹線荷物輸送「はこビュン」のサービスとして、2024年度以降の事業化を目指したトライアルの第3弾。長野の車両基地や東京駅での荷扱いや、東北新幹線への積み替え輸送の手順などを検証した。
 荷主として、国分首都圏、佐川急便、沢光青果、ずくだせ農場、日本通運、日本郵便、メディセオ、ヤマト運輸、JR東日本商事、UPSサプライチェーンソリューション・ジャパンなどが参画。北陸新幹線を走行する12両編成の臨時列車を使用した。
 青果、食品、医療用医薬品、精密機器などを詰めた約700箱を積んで、午前9時57分に長野新幹線車両センターを出発。午前11時44分に東京駅到着後、約200箱を降ろし、再び出発。午後12時8分に東京新幹線車両センターに到着した後、ジェイアール東日本物流などのトラックで倉庫や都内の小売店などへ輸送した。
 東京駅で降ろした荷物は、午後12時12分発の東北新幹線やまびこ209号に積み替え。仙台駅に到着後、荷主へ引き渡した。
 東京から長野までは、1・2号車と7~9号車の計5両に荷物を積載。東北新幹線の東京から仙台までは車内販売準備室に荷物を積んだ。
 実験では、従来の駅ホームでの作業に比べ、場所と時間を十分確保できる車両基地での荷扱いや、東京駅での安全に配慮した効率的な荷降ろし、東北新幹線への積み替えに伴う作業手順を確認。東京の新幹線車両基地では、AGV(無人搬送車)を活用した荷扱い業務の省力化についても検証した。

 JR東日本は、これまでのトライアルで得た知見を生かし、引き続き24年度以降の多量輸送の事業化に向けた取り組みを進めるとしている。

新幹線を活用した、東京―長野、東京―仙台での輸送イメージ