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23/09/05

燃料価格激変緩和措置、補助上限額は17円で12月末まで延長

 経済産業省は、今月末までを期限としていた軽油やガソリンなどの価格激変緩和措置を12月末まで延長する。急騰が続く燃料価格への緊急対策として政府の方針で決定したもの。価格抑制に向け石油元売りへの補助金を継続し、8月末時点で過去最高水準のリッター185円程度となったガソリン全国平均価格を、10月中にも175円程度まで戻すことを目指す。
 補助の基準価格は、昨年4月28日から適用しているガソリンベースの168円を維持。従来25円だった石油元売りへの補助上限額は17円とした上で、買い控えなど流通の混乱を防ぐ観点から、補助額が17円以下となった場合の補助率を段階的に引き上げる。
 今月7日から10月4日までは、17円以下の補助率を10分の3とし、17円を超える場合は全額を補助する。10月5日以降は12月末まで、17円以下の補助率を5分の3に引き上げ、超えた場合は同じく全額補助とする。
 岸田文雄首相は8月30日、激変緩和措置延長に関し、「措置を年末まで講じることとし、国際的なエネルギー価格の動向も注視しながら、必要な対応を機動的に考えていきたい」と表明した。
 資源エネルギー庁が1週間ごとに調査する軽油の店頭価格は、8月28日時点で前週比2・0円上昇の165・1円と15週連続の値上がり。08年8月に記録した最高値167・4円に迫る勢いで急騰している。
 全日本トラック協会は「措置の延長はありがたい」とした上で、軽油が高値で推移していることから、引き続き価格動向と共に措置の効果を注視していく方針だ。