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23/09/05
国、標準的な運賃と運送約款を来年4月に公布目指す
国土交通省は8月30日、標準的な運賃と標準貨物自動車運送約款の見直しへ、有識者検討会を立ち上げた。荷待ち・荷役にかかる費用、燃料高騰分の代金を適正に転嫁できるよう、12月中に提言をまとめて見直しの方向性を提示し、来年4月の公布を目指す。
国交省は8月30日の会合で論点を提示。標準的な運賃では、燃料費や人件費などのコスト上昇を踏まえ、現行の運賃表を見直す。
国交省は全日本トラック協会を通じて原価調査を実施しており、調査結果も参考にする。小熊弘明貨物課長はコスト上昇が継続する場合、「標準的な運賃はさらに見直すこともあり得る」とする。
積載率向上へ個建ても検討
また、荷待ち・荷役といった輸送以外のサービスについては金額そのものか、もしくは金額設定の考え方を提示する。下請け運送企業の発注手数料の水準も提示する。
共同配送などで車両の積載率向上につながるよう、標準的な運賃を現行の貸し切り輸送だけでなく、個建てにも適用するべく、運賃表か運賃の適用の考え方を示す。
運送約款の見直しでは荷役の定義を明確にする。2017年11月の改正時に、荷役料金について「車両留め置き料」から「積み込み料」「取り降ろし料」と変更したが、ラベル貼りなど他にもいろいろな付帯作業がある。作業を細かく分類し、説明を盛り込む。
来年の通常国会に提出される元請け・荷主に対する規制に、契約の書面化・電子化も含まれることから、対応するルールを運送約款でも設ける。契約にない荷役をドライバーが行っていないか運送会社が確認できるようにする。
今後は10月に提示する提言の素案を基に、12月中に提言を取りまとめる。標準的な運賃はその後、告示を運輸審議会に諮り、運送約款はパブリックコメント(意見公募)を実施する。来年4月の公布を目指し、どちらも数カ月の周知を経て告示・施行する。
政府は6月にまとめた「政策パッケージ」で、工場や物流施設周辺での待機料、荷役費、燃料高騰分の代金、下請け運送企業に業務を発注する際の手数料を運送企業が荷主に適正に転嫁できるよう、標準的な運賃と標準運送約款の見直しを年内に図るよう求めていた。