- 行政・業界団体
23/08/28
送料無料、「適切表示企業の奨励を」JADMAが国に要望
消費者庁は22~23日、通販の「送料無料」表示見直しへ、通販業界団体、日本郵便と意見交換した。通販業界側からは、まずは各通販業者に表現を委ね、適切なコスト負担を示す企業を奨励するインセンティブを求めたいとの意見が聞かれた。
通販業界団体からは日本通信販売協会(=JADMA)が出席した。7月、会員に対し、同表示見直しの政策に対する意見を調査したところ、120社のうち、43社が「送料無料表示を法律で禁止し、別の表現にすることを義務付ける」ことに賛成と回答。35社が「同表示を自主的にやめる通販にインセンティブを与え奨励する」ことを要望した。
この結果からJADMAは、同表示見直しについて「まずは各通販の判断に委ねつつ、適切な物流費負担を表示する企業に名誉のようなものを与えることも考えられる」とした。
法規制なら全関係者対象に
一方、法規制に賛成する会員からは通販以外にもプラットフォーマー(大手EC企業)や、小売店による通販サイトも規制対象にしてほしいとの意見があった。「法的に規制せざるを得ない場合は、通販を運営する全ての小売りを対象にしてほしい」とJADMA。
同表示を別の表現にする場合、「送料弊社負担」としてほしいとの声も85社と7割を占めていたため、「送料を通販側が負担していることが分かり、その金額を明らかにしない表示を希望する」と話した。
政府が6月2日にまとめた「政策パッケージ」では、運賃・料金が消費者向けの送料に適正に転嫁・反映されるべきとの観点から、同表示を見直す方針が示されている。日本郵便はこの動きを踏まえ、発荷主の通販、着荷主の消費者の両方を巻き込んだ取り組みのため、見直しに賛成する方針を示した。