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23/08/21

国交省、9月にMSの目標提示 委員「災害時考慮を」

 国土交通省は9月中にも、鉄道・内航船の輸送力増強とコンテナサイズの標準化に向けた分科会で、片道500キロメートル以上のモーダルシフト目標を提示する。来春適用のトラックドライバーの残業上限規制に対応する。
 2021年の全国貨物純流動調査では、片道500キロメートル以上の輸送分担率はトラック45・6%、鉄道5・0%、船13・5%だった。このままでは残業上限規制でのトラック輸送力不足に対応できない可能性があるとして、国交省は鉄道と船のモーダルシフト目標を設定し、取り組みを推進する方針。
 委員からはおおむね了承を得ており、鉄道・船の収容能力、災害時に長期にわたって不通となる鉄道区間があることを考慮してほしいとの声を踏まえる。

20フィート以上コンテナ導入推進

 加えて、政府が6月にまとめた「政策パッケージ」で20フィート以上の鉄道コンテナ導入推進を図るとされたこと、31フィート鉄道コンテナの輸送量が増加していることを踏まえ、鉄道輸送での20フィート以上のコンテナ輸送量目標も来月中に会合で提示し、JR貨物の貨物駅整備や荷役機器の導入に生かす。
 NX総合研究所の予測では、残業上限規制で何も対策を講じなかった場合、24年度にはドライバーが14%、30年度には34%不足する。
 国は、トラックの長距離輸送を鉄道や船に切り替える必要があるとし、先月から方策を検討していた。