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23/08/21

グローバルエアカーゴ、名古屋市の拠点でDX推進 配車&シフト管理を自動化

 ダイセーグループで航空貨物を取り扱うグローバルエアカーゴ(本社・東京、田浦辰也社長)はこのほど、名古屋市の拠点「中川ハブセンター」で、同じダイセーグループのシステム会社が開発した、自動配車が行える運行管理システム「ATMATC」を導入。AIで従業員の労務管理を効率化するシフト管理システムも、年内の本格稼働に向け試験的に取り入れ、両システムの連動によるDX(デジタルトランスフォーメーション)化を進めている。

運行管理システム「ATMATC」管理画面

 2つのシステムは、ダイセーグループで物流システム開発を手掛けるDX研究所とメジャーサービスジャパンが共同開発した。ATMATCは配送に必要な車両数を算出し、配車計画を自動で作成。グループ会社の車両に取り付けられたモバイル端末と連動して、ドライバーの勤怠管理や経費申請が可能で、配送結果からリポートも作成できる。
 AIによるシフト管理システムは今年2月分のシフトから試験運用中。従業員の希望シフトや雇用形態を基に、AIが配送ルートを自動作成する。1人のドライバーに対して2つ以上のルートが同時に組まれる場合も、不可能な組み合わせをAIが判断して回避する。また、7月に同センターの全従業員にモバイル端末を配付し、シフト表を確認できるようにしたほか、勤務情報をリアルタイムで管理者と共有することも可能だ。

AIシフト管理システムによるシフト完成図

 グローバルエアカーゴは羽田空港、成田空港、中部国際空港セントレア、関西国際空港、大阪国際空港、名古屋駅近郊の計6カ所の拠点を展開し、生鮮食品・医薬品の航空貨物を取り扱っている。
 DX化を進めている中川ハブセンターは、名古屋市中川区にある拠点。複雑な配送ルートを抱えながら従業員数も多い半面、これまでは配車計画や配送先の情報管理を人手に頼っていた。さらに、カーナビゲーションシステムを導入していないため、初任ドライバーの横乗り指導の期間が長引くといった課題もあった。
 新たな運行管理システムの導入で、ペーパーレス化や横乗り指導でかさむ人件費の抑制効果などを見込む。また、AIシフト管理システムではシフト作成業務の負担軽減や労務データの一元管理を図る。2つのシステムを連動させて創出した従業員の時間やコスト抑制分を生かし、さらなる顧客開拓や新事業分野への挑戦に注力していく方針だ。