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23/08/21

「送料無料」問題、消費者庁に通販団体が要請「適正収受との関係提示を」

 消費者庁は8月9~10日、通販の「送料無料」表示見直しへ通販業界3団体と意見交換した。同表示が物流企業の適正運賃・料金収受を妨げているとする政府の見方の根拠を示してほしいという意見が聞かれた。

運賃の仕組み説明が現実的

意見交換の様子。表示見直しに否定的な声が複数聞かれた

 出席した3団体は、アマゾンジャパンが加盟するアジアインターネット日本連盟、メルカリやヤフーが加盟するセーファーインターネット協会、オイシックス・ラ・大地やファンケルが加盟する新経済連盟。政府見解の根拠を求めたのは、セーファーインターネット協会と新経済連盟。「政策効果が見えないなら安易に表示見直しを求めるべきでない」(セーファーインターネット協会)、「通販側は運送会社から提示された運賃を支払っている」(新経済連盟)といった声が聞かれた。
 アジアインターネット日本連盟も、送料無料表示を見直す理由が再配達削減などの消費者の行動変容促進か、価格転嫁かを明確にしてほしいとした。「消費者が送料という形で負担はしていないが、通販側が運送会社に運賃を支払っていることを消費者に説明する方が現実的」とした。
 政府が6月2日にまとめた「政策パッケージ」では、運賃・料金が消費者向けの送料に適正に転嫁・反映されるべきとの観点から、送料無料表示を見直す方針が示されている。