• 荷主

23/08/18

伊藤忠×シノプス、食品ロス削減や物流効率化へ向け実証実験

 伊藤忠商事(本社・東京、石井敬太社長)とシノプス(同・大阪市、南谷洋志代表取締役)は8~11月、新潟県でスーパーマーケットを展開するウオロク(同・新潟市、本多伸一社長)で食品ロス削減や物流効率化へ向けた実証実験を行う。シノプスが開発・提供する需要予測型自動発注サービス「sinops」で算出したウオロク店舗の需要予測データを再活用し、倉庫の稼働率向上を図る。
 物流センターの在庫圧縮と、特売品の受注から納品までのリードタイムを長期化するのが狙い。
 販売実績や在庫情報、天気予報などのデータからAIが最適な発注数を算出するsinopsの需要予測データを再活用し、物流センターの稼働率を上げ、在庫の圧縮を図る。また、食品ロス削減や物流効率化を目指し、特売品の納品リードタイムを長期化させる実証実験も行う。
 実験では、従来数日前に確定していた特売品の発注を、需要予測に基づき14日前に確定する体制に変更する。納品リードタイムを長期化することで、特売期間中の追加発注の予測や在庫調整業務の負荷軽減、倉庫の過剰在庫や欠品リスクの制御が期待できる。
 データ検証では、sinopsが算出した予測値とPOS(販売時点情報管理)データの販売実績の誤差は実運用でも問題のない数値であることが確認されている。またsinopsが算出した発注数は、人の予測よりも追加発注を制御できる予測結果になった。
 シノプスと伊藤忠は、食品バリューチェーン(価値連鎖)の最適化実現へ向け2022年1月に業務提携。ウオロク全店ではsinopsシリーズを導入している。
 今後は、他の小売りでも同様の実証実験を行い、物流の最適化へ向けたプラットフォーム(基盤)の構築を目指すとしている。