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23/08/17

国交省、鉄道・船の輸送増とコンテナサイズ標準化に向けた分科会設立

 国土交通省は7月26日、鉄道と船舶モーダルシフトの推進を目指し、輸送力増強策とコンテナサイズの標準化に向けた分科会を立ち上げた。来春適用のトラックドライバーの残業上限規制による輸送力不足に対応し、持続可能な物流構築につなげる。9月中にも方向性をまとめる。
 NX総合研究所の調査によると、残業上限規制で何も対策を講じなかった場合、来年度にはドライバーが14%、2030年度には34%不足すると予測される。国は人手不足に対応するため、トラックの長距離輸送を鉄道や船に切り替えることが必要としている。
 分科会では、鉄道・船の輸送力増強、コンテナサイズ標準化、コンテナ専用車やシャーシ、コンテナの導入方策の3つを検討する。政府は6月にまとめた政策パッケージで、鉄道と船の輸送力増強に関し、30年度を目標とする中・長期計画を策定することを決定している。

コンテナ構成比率見直しも

 国交省はこれを見据え、JR貨物や内航船社が輸送拡大に向け、計画的に投資しやすいよう方向性を議論する。
 現在、輸送で使われるコンテナは、12フィート、20フィート、31フィート、40フィートの4種類。特に鉄道は12フィート、31フィートが主に使用されるが、輸入品は20フィートと40フィートが多く、積み替え時にコンテナを変更するといった事態が発生している。コンテナサイズの構成比率見直しなどを行うことで、荷役の負担を軽減し、モーダルシフトしやすい環境を構築する。今後は分科会を2回実施し、9月中に方向性をまとめる。